寺迫公園に今年も夾竹桃が咲きました。
毎年、人も草も干からびてしまいそうな夏の暑い日に大地にしっかり根を張って生きていく夾竹桃の生き様(いきざま)は、たくましい生命力さえ感じさせます。
「元気を出せ、わが弱き心よ!」、古いコラールにありましたが、なよなよとした幹にしっかりと花を咲かせている姿は不思議な感動を覚えますし、ある種の元気と勇気を貰う気がします。
昭和20年8月6日、ヒロシマに原爆が投下された後、75年間は草木も生えないといわれた被爆焦土。そこに一番先に咲いた花が夾竹桃でした。それはヒロシマ市民に希望と光を与えてくれた花でもあり、ヒロシマ復興のシンボルの花でもありました。
夾竹桃は「原爆犠牲者に対する慰霊の意をこめて」昭和48年に広島市の花に指定されました。
広島市内では、そして寺迫公園では、あの日原爆で焼かれた夾竹桃が風にゆらめいています。ヒロシマの復興を喜ぶと同時に、弱くなりそうな人の心に元気と勇気を与えるためのように。
今から暑くなりますが、夾竹桃に負けない体力と心で乗り切ってください。